MOA美術館児童作品展は、MOA美術館・箱根美術館の創立者である岡田茂吉(1882-1955)の「美術教育こそ今後は大いに奨励しなくてはならない」との考えにもとづき、1989年より実施しています。
児童作品展は、「学習指導要領」にもとづき、子どもたちが自然・環境、社会、他者との関わりを通して、興味や関心をもったことを、感性を働かせながら絵画や書写によって表現することで情操を養い、豊かな心を育てることを目的に開催しています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、誠に残念ではありますが、令和2年度の市区町村単位で開催する児童作品展を、取りやめることを財団として決定しました。
しかし、実行委員会から、「毎年応募し楽しみにしている児童、特に、最終 学年となる6年生に創作機会を提供させていただきたい」との声。また全国展審査員より、「31回にわたって児童教育を推進してきた美 育の文化を継続してほしい」との上記の声を踏まえ、感染拡大に配慮したあり方で実施を検討し、美術館へ直接応募する特別企画展を実施いたしました。
ご協力賜りました関係各位に深く感謝を申し上げるとともに、今後も未来に羽ばたく子どもたちに夢と希望を与えられる児童作品展としてご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
MOA美術館
開催期間 | |
---|---|
主催 | |
後援 | |
参加対象 | 小学1年生~6年生 |
審査員 |
絵画の部 小林 恭代 文部科学省教科調査官 岡田 京子 東京家政大学教授 村上 尚徳 環太平洋大学副学長 遠藤 友麗 元聖徳大学生涯学習課講師・MOA美術館児童作品展シニアアドバイザー 書写の部 豊口 和士 文部科学省教科調査官・文教大学教授 長野 秀章 東京学芸大学名誉教授 加藤 泰弘 東京学芸大学教授 団体の部 |
賞 |
絵画の部 MOA美術館特別奨励賞 7点 審査員特別賞 7点 国際交流賞 7点 金賞 7点 銀賞 27点 銅賞 45点 入選 100点 書写の部 MOA美術館特別奨励賞 6点 審査員特別賞 6点 金賞 6点 銀賞 34点 銅賞 48点 入選 100点 団体の部 |
受賞された皆さんと、出品されたすべての児童の皆さんのご努力を心より讃えます。
今年度は、特別企画展の形での開催となりましたが、書写の部では7,872点もの出品があり、その内容は日頃の努力の成果が大いに発揮された作品ばかりでした。
文字を書くことはそれ自体が文化であり、日本の文化を支えてきました。日本の文字文化は古くから毛筆で書くことでその伝統を継承し受け継がれてきましたが、今の時代、日常生活の中で毛筆を使う機会は大変少なくなり、社会全体では手で文字を書く機会すら少なくなってきているのかもしれません。そうした中で、皆さんはきっと毛筆という筆記具とそれによって書かれた文字の力、魅力に気付いていることと思います。今後も毛筆の魅力や豊かさ、美しさを感じ取ることに積極的に向き合い、日常生活の中でも文字を書くことを大切にして心豊かな生活を創造していってほしいと願っています。
審査に当たっては、筆使いや運筆、字形や字配り、紙面構成や作品としてのまとまりなどの他、こうした姿勢や思いもまた重要な観点となります。書写の学習を通して、皆さんなりに日本の文化と向き合いながら、文字や言葉を書くこと、文字や言葉で伝えることの意味や大切さを感じ取る感性を高めていってください。そして、書写の学習を通して、たくさんのことを考え、色々なことを学んでもらえたら嬉しく思います。
文部科学省教科調査官 文教大学教授 豊口和士
【学校コメント】
【委員会コメント】
【学校コメント】
【委員会コメント】
【学校コメント】
【委員会コメント】
【学校コメント】
【委員会コメント】
【学校コメント】
【委員会コメント】
【学校コメント】
【委員会コメント】
【団体賞コメント】
【団体賞コメント】
絵画の部 総評
今年はコロナ禍の中で、4月、5月は多くの小学校で休校や時間短縮の時間割になり、その後も学校行事の中止や縮小がなされるなど、学校の教育活動が制限されました。多感で人間的な成長が著しい小学生にとって、自分の気持ちを表現したり力を発揮したりする機会が激減した年であったと思います。
そうした中で、MOA美術館児童作品展2020特別企画展が実施され、全国から多くの絵画の応募がありました。応募作品は、例年に負けず、児童のみずみずしい感性や個性があふれる作品ばかりでした。作品の審査に当たっては、作品だけでなく、題名と作者のコメントなどを合わせて見ることで、その子の思いや表したいこと、表現の工夫などを丁寧に読み取りました。作者の児童の気持ちになって絵を見ていると、時間を忘れて夢中になって描いている様子などが思い浮かび、審査をしていて気持ちが温かくなりました。どのようなときにでも絵を描くことは、児童にとって自分の思いや願いを表現する大切な手段であることを改めて実感しました。
今年、応募してくださいました児童や関係者の皆様に感謝いたしますと共に、来年度は、例年のように全国展が開催され、より多くの作品に出会えることを願い、審査講評とさせていただきます。
環太平洋大学 副学長 村上尚徳