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地方展の紹介~「校内 大写生大会」と美術セミナーを開催 富山児童作品展~

2024.06.11

 2024年5月 富山市立東部小学校では3回目、蜷川小学校では1回目となる「美術セミナー」が行われました。
画家の船木英明氏、MOA美術館美術文化インストラクター、がそれぞれ講師となり、MOA美術館全国児童作品展で大臣賞を受賞した作品を題材として、鑑賞のレクチャーをしました。スクリーンいっぱいに投影された作品と、描いた児童の感想などの解説を、全校生徒は熱心にきいていました。

また、尾形光琳作『紅白梅図屏風(MOA美術館蔵:国宝)』のレプリカも会場に展示されました。事前にこのことを知っていた東部小学校の牧谷教頭は「自分は琳派の訪問着を持っているので」と、当日着物で登校。「実は私は琳派が大好きで、その展示があると全国どこへでも行って見て来ます。児童達に琳派の美にふれて欲しかった」と、紅白梅図屏風と一緒に記念写真を撮っていました。

東部小学校では写生大会も開催。レクチャー終了後、児童はすぐに水彩道具を持って、思い思いの場所で写生を開始。グラウンドの真ん中に机を運んだ児童は「今度卒業だから、楽しかった思い出の校舎を描いてます」「いつも休憩時間を気にして遊んでいた思い出の時計を中心に描きたい」。ベランダで描き始めた児童は「楽しかったプールの思い出がたくさんあるので、ここで思い出しながら描いています」。

東部小学校の小林校長は、「以前は多くの学校で写生大会という行事があった。ゆったりと流れる時間。いま、このように子供達が伸び伸びと楽しそうに絵を描いている姿に心打たれました。外部講師の方々のご協力で、絵を描くことの楽しさを教えて頂いた。子供達の伸びやかな成長に一番大切なのは、このような時間的なゆとりなのではないかと感じた。また、関わる教職員も心にゆとりを持って子供達をながめ、その様子を楽しめることは非常に大きいことに気づいた」。

この行事は、蜷川小学校・嘉義政彦校長 (元東部小学校校長)が、富山児童作品展の表彰式の来賓として出席した際、受賞児童の表情、いきいきとした作品に出会い、絵を描くことが自信へとつながると実感。1日美術セミナー及び写生会を、令和4年から東部小で実施したことから始まっています。

嘉義校長は、「一枚の絵画には、自分が考えている以上に人を魅了する素晴らしさがある。題材に対する深い愛情、伝えたい思い、描き上げるまでの意欲、そして子供達の素敵さが詰まっている」とおっしゃっています。

 写生会の様子は、北日本新聞2024.5.3でも掲載、紹介されました。